がんゲノム医療 Cancer genomic medicine

がんゲノム医療
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埼玉医科大学総合医療センター 泌尿器科 > がんゲノム医療

1従来のがん治療の限界とその打開

がん治療の進歩に伴い、治療の個別化が解決すべき課題として重要視されつつあります。近年、次世代シークエンサーの発達により、ゲノム(遺伝子情報)の解析が短時間・低コストで可能となり、がん治療の個別化に必要なバイオマーカーの同定と、それを治療標的とした新薬の開発が急速に進みつつあります。根治困難ながんに対する長年の目標であった治療の個別化は、がんゲノム医療の臨床実装により、次第に身近なものとなりつつあります。

標準治療とがんゲノム医療の図

2日本におけるがんゲノム医療

100を超える遺伝子を一度に解析する検査(遺伝子パネル検査)が開発され、2019年に2つの遺伝子パネル検査が保険適用になりました。当院は、がんゲノム医療連携病院・地域がん診療連携拠点病院の指定を受け、創設されたゲノム診療科を中心にがんゲノム医療を積極的に展開しています。がん遺伝子パネル検査の結果で新たな標的薬に結びつくのは現状では10~20%程度にとどまるとされていますが、多岐にわたる遺伝子異常に対応する新たな治療薬の開発が急ピッチで進んでおり、近い将来そうした新薬が保険診療として投与可能となることが期待されています。がんゲノム医療は日々進化しており、遺伝子パネル検査で得られたゲノム情報が、近い将来、新薬による治療に結びつく可能性があるのです。

がん遺伝子パネル検査の図

3泌尿器科におけるがんゲノム医療への取り組み

現在、がんゲノム医療は転移を有する進行癌に対する治療として保険適用となっています。泌尿器科領域での主要な4つの癌(前立腺癌、膀胱・腎盂・尿管・尿道癌、腎癌、精巣癌)では、標準治療が終了見込みとなった時点でがん遺伝子パネル検査が提出可能となります。一方、副腎癌、尿膜管癌、前立腺神経内分泌癌などの稀な癌(希少癌)では、確立した標準治療がなく、しばしば治療に難渋するため、進行癌として診断された時点でのがん遺伝子パネル検査も可能です。がん遺伝子パネル検査では、癌組織あるいは血液から癌のDNAを抽出し、検査することで、個々人の”がんに関連する遺伝子のちがい”も考慮して、最適な治療を探索します。以下に当科で行ったがん遺伝子パネル検査結果の一例を提示します。

  • 進行泌尿器科癌全般に対応
    • 標準治療が終了見込みとなった進行泌尿器科癌
    • 希少癌
  • 癌組織あるいは血液から遺伝子パネル検査を提出
  • 病的遺伝子を同定し、それに対応する治療薬を探索

泌尿器科におけるがんゲノム医療への取り組み

 

4がんゲノム医療の問い合わせ

泌尿器科癌のがんゲノム医療に関するお問い合わせは、泌尿器科外来(049-228-3672)までお願いします。主治医の先生からの診療情報提供書と検査データ、画像を持参していただきます。当科で初診したうえで、どのような遺伝子検査が最適かを判断いたします。

がんゲノム医療の問い合わせ