前立腺ハイドロゲルスペーサー Laparoscopic Surgery

腹腔鏡手術
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前立腺癌の根治療法として、手術及び放射線治療(外部照射:3次元原体放射線治療・強度変調放射線治療、小線源療法)があります。放射線治療は手術のように体を切る必要が無く、手術と遜色のない治療成績であると言われています。しかし、前立腺と直腸が近接しているために治療中から治療後数年にかけて数%に起こる、下痢・血便・下血といった、直腸炎という合併症が問題となっていました。

今回、それを克服する新しい治療が開発され、当センターでも利用できるようになりました。Space OAR(Space for Organs At Risk)は前立腺癌の放射線治療に際して、放射線による直腸へのダメージを低減するために開発された新しい処置です。

前立腺と直腸との間にゲル状のスペーサー(ハイドロゲル)を注入することで距離をつくり、直腸を高線量域から保護します。

本法により、放射線治療に伴う直腸炎の78%の低減が期待できます。(Karsh LI et al. Urology. 2018)

当センターでのハイドロゲルスペーサー留置術Hydrogel spacer placement in SMC

当センターでは前立腺針生検と同様に、1泊2日の入院で行っています。

専用の台に仰向けになり、両脚を開いた姿勢(載石位)で、局所麻酔下に処置を行います。肛門から超音波の機械(経直腸超音波プローブ)を挿入し、膀胱と前立腺の位置を確認しながら会陰部(陰嚢と肛門の間)から針を刺して前立腺と直腸との間にゲル状のスペーサーを注入します。15分程度の処置になります。スペーサーは注入後数秒で固まり、6~9ヶ月で体に吸収されるため、体には無害です。

ハイドロゲルスペーサー留置術の合併症として、血尿や感染症、疼痛などの他、針による直腸損傷などが考えられます。合併症の程度によっては入院期間を延長して対応させていただくことがあります。当センターでは2020年8月より本法を開始し、2021年4月現在22名の方に治療を受けていただいておりますが、現在まで大きな合併症を起こされた方はおりません。

3名の医師が施術認定医を取得しており、立花康次郎医師を中心に本治療を行なっております。